フルリモートの営業代行(小規模チーム)で案件を始めるとき、最初の1〜3日で「言った/言わない」「判断が人によって違う」「確認が遅れて止まる」が起きがちです。原因は、スクリプトや資料そのものよりも、運用上の“判定基準”が共有されていないことにあります。
この記事では、案件立ち上げ直後に作っておくと在宅・非同期でも崩れにくい「定義・禁止・例外」3点セット(A4 1〜2枚)を、最小手数で作る手順とテンプレをまとめます。
目次
1) まず「定義」を決める(成果ではなく“判定”)
立ち上げで最初に詰まるのは、成果の議論よりも「これは何として記録する?」という判定です。定義が曖昧だと、数字もナレッジも積み上がりません。
- 会話:担当者につながり、双方向で30秒以上のやり取りができた
- 有効会話:課題・現状・次アクションのいずれかが1つ以上取れた(例:資料送付先確定、時期の根拠が取れた)
- アポ:日時が確定し、参加者(役職レベル)が明確(「担当者A+決裁者同席」など)
- NGアポ(除外):日時だけ決まっているが目的・参加者が不明/確認が取れていない
ポイントは、“良い/悪い”の評価ではなく「作業者が迷わず同じラベルを付けられるか」です。定義は厳密さより、再現性を優先します。
2) 次に「禁止」を決める(事故を減らす最低限のガードレール)
小規模チームほど、“うっかり”が損失になります。禁止事項は多くするより、守られやすい3〜5個に絞るのが現実的です。
- 未確認の約束を置かない:相手の同意が取れていない「仮アポ」を登録しない
- 主語を省かない:「検討します」だけを残さず、誰が・何を・いつまでに、まで書く
- 推測で属性を書かない:役職や決裁権限は聞けていないなら「不明」で統一
- 温度感を強断定しない:「確度高い」ではなく、根拠(発言)で残す
禁止は“倫理”ではなく“運用コスト”の話です。曖昧な記録が増えるほど、後工程(フォロー・報告・引継ぎ)が高くつきます。
3) 最後に「例外」を決める(迷ったときの逃げ道)
禁止と定義だけだと、現場は止まります。例外を先に決めておくと、非同期でも判断が揃います。
- どうしても参加者が不明でも日時だけ先に確保したい:タイトルに「仮」を付け、24時間以内に確認タスクを必須化(未達なら自動キャンセル扱い)
- 相手が“資料だけ”と言う:送付で終了にせず、「送付先」「確認期限」「次の連絡手段(電話/メール)」の3点が取れた場合のみ“前進”として扱う
- 担当者が違うと言われた:紹介が取れたら“有効会話”、取れなければ“会話”で統一(成果が出た/出ないで揉めない)
4) 3点セット(A4 1枚)のテンプレ
そのままコピペして埋められる形にしておくと、立ち上げが速いです。GoogleドキュメントでもNotionでも、最終的に「全員が見ている1枚」に寄せるのがコツです。
(1) 定義
- 会話:____
- 有効会話:____
- アポ:____
- NGアポ:____
- 優先して聞くべき3項目:①__ ②__ ③__
(2) 禁止(守るべき最低限)
- 禁止1:____(理由:____)
- 禁止2:____(理由:____)
- 禁止3:____(理由:____)
(3) 例外(迷ったときの処理)
- 例外1:____ → こう処理する:____
- 例外2:____ → こう処理する:____
- 例外3:____ → こう処理する:____
5) 運用に落とす(リモート向け:更新は週1回だけ)
「決めても守られない」問題は、更新頻度が高すぎると起きやすいです。小規模チームなら、まずは週1回・15分で十分です。
- 週1回の定例で「迷いが出たケース」を3件だけ持ち寄る
- 3点セットのうち、定義・禁止・例外のどれを直すかだけ決める
- 変更は1週間で最大3行まで(増やしすぎない)
立ち上げの目的は“完璧なルール作り”ではなく、判断の揺れを減らして手戻りを減らすことです。まずはA4 1枚から始めて、現場の摩擦が減る方向にだけ育てていくのが安全です。
