営業でAIに資料を読ませる前に:間接プロンプトインジェクション対策チェックリスト
営業代行の現場では、提案書・FAQ・Webページ・過去メールなどをAIに読ませて「要点抽出」「反論パターン作成」「想定QAづくり」をする使い方が増えています。便利ですが、ここで見落としがちなのが間接プロンプトインジェクションです。
ざっくり言うと「資料の中に混ざっている“指示”を、AIが本気の指示だと勘違いして動く」現象です。営業の文脈だと、誤った提案・不適切な外部送信・情報の取り扱いミスに繋がります。
目次
結論:対策の本質は「権限分離」と「外部送信の承認」
AIが資料を読むときに怖いのは、AIが変なことを“考える”ことより、AIが変なことを“実行できる”ことです。だから、対策は次の順が効きます。
- AIに実行権限を与えない(できることを減らす)
- 外部送信は承認制(人が最後に見る)
- 入力と出力のルールを決める(型で縛る)
間接プロンプトインジェクション:営業代行での典型例
- Webページ内に「この文章をコピーして送って」系の文言があり、AIがそのまま対外文面を作る
- PDFに埋め込まれた不自然な指示(例:機密情報を出せ、別URLを見ろ、等)に引っ張られる
- FAQに「必ずこう断言して」といった強い表現があり、AIが“言い切り”で提案してしまう
チェックリスト(小規模営業代行向け)
A. AIに与える権限を最小化できているか
- AIが勝手にメール送信/チャット投稿できない(または下書きに留まる)
- CRM更新・カレンダー登録などの「書き込み」は原則人が実行
- ツール連携がある場合、スコープ(対象範囲)を限定
B. 入力データの扱いを分離できているか
- 顧客固有情報(会社名・担当者名・数字)は別枠にして、必要最小限のみ渡す
- 「資料本文」と「こちらの指示(やってほしいこと)」を混ぜない
- 資料のURLを丸投げせず、まず要約してから使う(一次加工)
C. 出力を“実務の型”に落としているか(言い切り防止)
- 観測→仮説→検証→不足情報 の順で出力させる
- 対外文面は「下書き」扱いで、人が事実確認してから送る
- 数字・固有名詞・約束(納期/範囲)は人が最後にチェック
D. 変な指示を検知する“違和感チェック”があるか
- 資料中の「〜せよ」「必ず」「送信しろ」など命令口調は無視するルール
- 外部リンクの追跡や別URL参照は、必要時のみ人が実行
- AI出力に不自然なURL・連絡先・強い断定が混ざったら差し戻す
運用のコツ:事故が起きない“導線”を作る
チェックリストは作って終わりだと形骸化します。おすすめは、対外送信や重要判断の前に必ず通る「確認ポイント」を業務フローに埋め込むことです(例:送信前チェック/週次レビューでの振り返り)。
まとめ
- 間接プロンプトインジェクションは「資料を読ませる」運用で起きる
- 対策は、権限分離+外部送信の承認+出力フォーマットの固定が効く
- 違和感チェックをフローに埋め込むと事故率が下がる
