「会って提案」が前提の営業は、もうコストが高すぎる
日本のBtoB営業は、いまでも「まずは訪問(またはオンライン商談)して、課題を聞いて、提案して…」が基本形になりがちです。
ただ、海外のデータを眺めると、買い手側はすでに“対面(同期コミュニケーション)に依存しない購買行動”へシフトしています。ここで言うのは「営業をやめる」ではなく、営業を“非同期化(Async化)”して、商談に入る前の摩擦を下げるという発想です。
海外データが示す、営業の前提が変わった3つのポイント
1) 商談はデジタルに寄る(寄らざるを得ない)
UpLeadがまとめた統計の中で引用されているGartnerの見立てでは、「2025年までにB2Bの販売インタラクションの80%がデジタルチャネルで起こる」とされています(Gartner “Future of Sales 2025” 由来の引用)。
これは「オンライン商談が増える」よりも強い意味があります。“営業担当と話す前に、買い手が意思決定を進める”ことが当たり前になる、ということです。
2) 営業担当が『売っている時間』は驚くほど短い
Salesforceのレポート引用として、営業担当が実際に売っている時間は週の28%程度という統計が紹介されています。
日本でも感覚的に「忙しい」は共有されていますが、数字で見るとインパクトが大きい。ここから言えるのは、営業のボトルネックは“気合”ではなく設計(仕組み)になっている、という点です。
3) 今すぐ客は少数派。大半は『後で買うかもしれない層』
Demand Gen Reportの調査として、いま能動的に購買検討しているのは全体の5%程度で、残り95%は将来的に検討し得るという話が紹介されています。
つまり、営業がやるべきは「今すぐの案件化」だけではありません。“検討に入った瞬間に思い出される状態”をつくることが、成約率の土台になります。
独自視点:日本の中小企業こそ「非同期営業」を先に整えるべき理由
海外では「Product-led」や「デジタル自走」が進んでいますが、日本の中小企業はここが弱いことが多いです。逆に言えば、ここを整えるだけで大企業よりも速く成果が出るケースがあります。
理由はシンプルで、意思決定者との距離が近く、改善サイクルを短く回せるからです。
今日からできる:非同期営業の3点セット
セット1:1ページで伝わる「選ばれる理由」
- 誰の、どんな状況の、何を解決するのか(ターゲットと課題)
- 他社と比べた時の違い(実績・専門性・プロセス)
- 次の一歩(問い合わせ/診断/資料請求)
ポイントは「全部盛り」ではなく、“初回の理解”に全振りすることです。
セット2:よくある質問(FAQ)を『断られ対応』まで含めて作る
見込み客が離脱するのは、価格だけではありません。「自社に合うか不安」「社内説明が通るか不安」といった“稟議不安”が大半です。
FAQは、問い合わせ前の不安を減らす非同期の営業担当になります。
セット3:商談は『説明』ではなく『意思決定』に使う
商談で会社説明から始めるほど、成約率は下がりやすい。説明は事前に渡し、商談では
- 優先課題の特定
- やらないことの合意
- 次のアクション(見積/計画/担当者)
に集中させます。これが、デジタル前提の営業で勝ちやすい形です。
まとめ:商談数を増やすより、商談の『前』を整える
海外データが示すのは、「営業不要」ではなく、営業の前提が“会う”から“先に進む”へ変わったということです。
日本の中小企業は、非同期営業(デジタル資産・FAQ・事前資料)を整えるだけで、営業の生産性を大きく改善できます。まずは「1ページの選ばれる理由」から始めてみてください。
参照(海外ソース)
UpLead: 150 B2B Sales Statistics to Remember in 2026(本文中でGartner / Salesforce / Demand Gen Report 等の統計引用あり)
