アウトバウンド(架電・メール)でよくある断り文句のひとつが「担当が違う(担当者がいない/部署が違う)」です。ここで強引に押すと嫌われ、引くと情報ゼロで終了になりがち。小規模・フルリモートの営業代行チームでも再現できるように、「紹介(転送・適切な窓口)」を引き出すための確認を3ステップに整理します。
まず前提:目的は“論破”ではなく「次に進める手がかり」を1つ取る
「担当が違う」は、相手が断るために言っている場合もあれば、本当に窓口が違う場合もあります。どちらでも、こちらが取るべき成果は同じです。
- (理想)担当部署・担当者へつないでもらう
- (次点)担当部署名/役割(例:情報システム、総務、現場責任者など)を聞ける
- (最低限)次に問い合わせるべき代表番号・窓口・メール(フォーム)の“正解”が分かる
「今の相手から勝ち取る」ではなく「社内で迷子にならない」ための情報を取りにいく、というスタンスが安全です。
60秒で分類:この断りは3種類
同じ「担当が違う」でも、会話の手触りが変わります。まずは分類して、聞き方を変えます。
- A:本当に窓口が違う(代表・総務・受付/現場担当ではない)
- B:相手は窓口だが、今は話したくない(忙しい、警戒、よく分からない)
- C:窓口が曖昧(担当部署が複数、案件が発生した時だけ動く)
見分けのコツは「代替案が出るか」です。Aは代替案(部署名・担当者名・代表メール等)が出やすい。Bは代替案を出さず会話を切り上げがち。Cは“誰が決めるか”が社内でも曖昧なことが多いです。
切り返しの基本形:紹介を引き出す3ステップ
使う順番が大事です。いきなり「担当者につないでください」は角が立ちやすいので、まず“迷惑を減らす”言い方を挟みます。
ステップ1:相手の負担を減らす(10秒)
例:
「ありがとうございます。こちらも社内で迷子になりたくなくて…“正しい窓口”だけ教えていただけますか?」
ステップ2:選択肢を2つ出して答えやすくする(20秒)
例:
「この手の件って、情報システム様と現場責任者様、どちらが窓口になることが多いですか?」
ステップ3:次アクションを“相手が選べる形”で提案(30秒)
例:
「もし可能ならお取次ぎいただくか、難しければ部署名だけでもお願いします。こちらから改めてお電話します」
そのまま読める:場面別トーク例(3本)
トーク例1(A向け):代表・総務・受付で“適切な部署名”を取る
「承知しました。差し支えなければ、こういった件はどちらの部署様が窓口でしょうか?(情報システム/総務/現場責任者など)
部署名が分かれば、こちらからそこにお繋ぎいただかずに改めてお電話します」
トーク例2(B向け):“今は話したくない”を前提に、質問を1つに絞る
「お忙しいところすみません。30秒だけで大丈夫です。
確認だけなのですが、この件は担当部署があるタイプでしょうか?(ある/その都度決まる、のどちらですか)」
(“ある”なら)「ありがとうございます。部署名だけでも分かれば、そこに改めてご連絡します」
(“その都度”なら)「ありがとうございます。その場合、発生時に動くのは総務様か現場様、どちらが近いですか?」
トーク例3(C向け):窓口が複数のときに“判断軸”を聞く
「社内で窓口が複数になりやすいテーマですよね。念のため伺いたいのですが、御社では最初に相談が入る先はどこでしょう?(例:総務→情シス→現場、のような順番)」
「その順番が分かれば、こちらから順に当てて、御社の手間を増やさないようにします」
やりがちNG(炎上しないための注意)
- いきなり個人名を要求する(「担当者名を教えてください」)→相手の心理的ハードルが上がりやすい。まずは部署名・役割でOK。
- 「誰が決裁者ですか?」を早い段階で聞く→不自然に警戒される。最初は“窓口”の確認に徹する。
- 長い説明を始める→「担当違う」の相手には情報過多。質問は1つ、選択肢は2つ。
運用に落とす:チームで揃えるメモ項目(テンプレ)
リモートの小規模チームほど、引き継ぎの“文字情報”が品質を決めます。断られ対応で得た情報は、以下だけ揃えれば次回の迷子が減ります。
- 相手の回答タイプ(A/B/C)
- 言われた表現(例:「担当が違う」「総務が窓口」など)
- 聞けた手がかり(部署名/役割/受付手順/代表メール等)
- 次アクション(誰に・いつ・何を短く確認するか)
簡易KPI:改善するなら“紹介率”を見る
「担当違い」は成果が見えにくいので、まずは紹介(転送・部署名取得)を中間成果にします。
- 紹介率=(転送された+部署名が取れた)/(担当違いと言われた件数)
- メモ不足率=(次アクションが書けていない)/(担当違いと言われた件数)
数値が悪いときは、トークを変える前に「質問が1つになっているか」「2択になっているか」をチェックすると改善しやすいです。
まとめ
「担当が違う」は、断りとしても事実としても起きます。大事なのは、そこで勝とうとせず、社内の“正しい窓口”を特定すること。負担を減らす一言→2択→相手が選べる次アクション、の3ステップで紹介率を上げ、チームの引き継ぎ品質も一緒に上げていきましょう。
